前回は引退式の時に掲示したこの横断幕、5年ぶりに出すことにしました。
ちなみに、この横断幕は初めて「毛色」の横断幕として登場し、その上PCで作成したアイロンプリントで全面作られた初の横断幕で、多分認められた横断幕では最初にホームページのアドレスが記入されている横断幕です。(まだ7?8年前ってホームページはそれほどメジャーではなかったので許可する人もわかってなかった、今はおそらく宣伝なので禁止)
出すまでに、何度も競馬場の人と協議して作成された横断幕です。原案から確認し、内容も見てもらった上で許可をもらい、当時は開催日ほぼ全日掲示されていました。
帆布で作られているため、未だに現役で使える丈夫な横断幕。
おそらくは、これが本当に最後の出番になるでしょう。
競馬を始めて、最初に好きになった馬の一頭です。お父さんは地味なグリーングラスながら、明るい栗毛、特徴的なプラチナ色に近い金髪のたてがみとしっぽ、四白流星。とあるマンガでは「走るベルバラ」と言われたトウショウファルコ。この派手なルックスで逃げ馬なので、レースではいつもそのキラキラ光るたてがみをなびかせていつも先頭を走っていました。
そんな馬が引退した後に、自分のホームグラウンドで誘導馬をやっている、という幸運にも恵まれました。その気になれば毎週でも馬房に訪ねに行けたんです。結構気がちっちゃくて、誘導馬の仕事中もいつもそわそわ。これだけ派手なので先頭などをやらされるのですが、どうもそういう目立つのは苦手。でも馬房で差し入れてしている人として覚えているのか、ウィナーズサークルであんぐりされたこともありました。
ある意味、自分がここ10年続くホームページを始めたきっかけの馬でもあります。開設から5?6年は常に東京競馬場の鉄人のトップページはトウショウファルコでした。正面向きの画像だったり、時にはくるくる巻いてる金色のしっぽだったり。数十万アクセスの方がその画像を見ていたことになります、東京競馬場のシンボルとして。
誘導馬を引退してから、根岸にも行きました。
そして、とうとう二度と会えることができ無くなってしまいました。
先週京都でこのニュースを知って、その次の日に見た、あの薄ら寒いから騒ぎの菊花賞。今自分の見ている競馬の状況(ていたらく)を考えてみると、やはり自分の中で一つの競馬の時代は既に終わっているのだなぁ、と感じます。少なくとも、春、夏の季節はとっくのとうに過ぎており、いつまでも秋のままでいたいと思いながらも、確実に冬は近づいているわけで。自分は何がしたくて、自分は何ができるんだろうか。