なぜ、去年はあんなに熱かったのか

これは、私が自宅に帰ってくるとまず目に入るゼッケンです。この為に大井の騎手招待のゼッケンを手にいれて、忘れもしない百日草特別のウィナーズサークルで、サインをお願いして自分だけサインをしてもらったものです。これが今自分の競馬の一番の宝物。

その時に勝った馬は、コスモバルク。去年のダービーでそこまでして私が応援していた馬です。自分はあの時、なんであんなに応援していたんだろう、今年、なんであんなにシラけちゃったのだろう?一年前を振り返りながらいろいろ考えてみました。

ここの52ページぐらいに去年の日記があります。心なしかみんな表情が明るいし、応援する気持ちが強く出てるんですよね。日記の文章もなぜか前向きだし。ただ、本音を言えば自分の中での応援のピークは、弥生賞でした。それ以後「みんなの馬」となってしまったバルクに対して、なんとなく一歩下がって見てしまうようになってしまったのも事実。でも、例年になく熱い気持ちでダービーを迎えたのも事実。今年は例年になく冷めて迎えたのも事実ですが....。

掲示板の返事を見ていただくとわかるのですが、「ディープインパクトが勝つのを見にいくんだ!」という人に対しての質問の答えの温度が日を追う毎に氷点下になっているのがわかると思います。個人でおかしなページを持っているが故に、競馬場に行ったこともない人がそう思って行くのだな、という実感が普通の人よりはるかにあったんです。自分としては、ダービーが始まるだいぶ前からこの「うすら寒さ」を感じていたんだなぁ、というのが今はよくわかります。去年はずいぶん優しくお返事していたんですよ、実際。

この温度差は、上に書いてある「みんなの馬」であるかどうかの違いだと思うんです。私はひねくれものですので、あまりにも「みんなの馬」であるからバルクから距離を置いてしまったのですが、ディープインパクトって、あまりにも「みんなの馬じゃない」馬なんですよね。歴史的名馬というのはほとんどの場合「みんなの馬」です。テイエムオペラオーが歴史的名馬になれなかったのは「みんなの馬」じゃなくて「和田の馬」だったからだと確信しています(笑)

じゃあ「みんなの馬」ってなんなのよ、と言われると....。

わかりません(をい!)

実は、この下のエントリで大反響を呼んだ(?)あの紙くず以外に、今回競馬場に来た人のほとんどが普段競馬場でG1を見たことが無い人だった、というのを示すのにいい証拠があります。それは「豊コール」がほとんど無かったこと。ここ最近は常にお約束のようにあった騎手名や馬名のコールが、今年は無かったんです。歴史的名馬とはちょっと言い難いですが、私はあの「ナカノコール」の実体験者です。(最多入場者数のあの日の府中の一員ということ)あの時は、観客の中から自発的にコールが起こり、競馬場全体がナカノコールに包まれた、正に「みんなのレース」でした。それ以降お約束となっていたあのコールが、今年は無かったんです。今年は一体感のない盛り上がり方。人を惹きつける魅力が乏しいんですよ、今年のレースって。レース直後から、仲間内で回顧に盛り上がっちゃって終了。

でも、なんで人を惹きつけられないんだろう?

わかりません(をいをい!)

ライバル不足?G1にありがちな馬主と騎手?レースの迫力の無さ?どれも当たっているけど本当の理由じゃなさそうですよね。あまりにわかりませんというのは無責任なんで、自分なりの回答をしてみます。人と惹きつけられないのは「見ている人が悪い」からです。感動するレースって、相対比較的に感動できているんだと思うんです。毎週競馬を見ていれば、自ずと「普通のレース」がわかってきます。そして、本当の「感動するレース」というのを味わえるのです。今回競馬場に来ているほとんどの人は、いわば刑務所の中で不味いメシをずっと食べて来た人。そんな人がシャバに出てきた直後、刑務所の門の横の定食屋で、味の濃い科学調味料(=ヤラセ)が大量に入ったラーメンを食べて「うまい!」と思うようなもんなんですよ。世の中にはもっと旨いものがあるのに.....。

JRAとしては、お客をあれだけ呼んで無理矢理にでも盛り上げたのですから、また競馬場に来ようと思わせる努力をして欲しいんです。今年のダービーと比較したらもっと感動するレースなんていくらでもありますから。例えば、ユニコーンSなんかダービーよりも100倍も面白そうですよね。ここで勝った馬が、JDDであの馬に挑戦することになるんでしょうか。素材だけで楽しめるレースの味、わかって欲しいもんです。

蛇足ですが、JRAのシーチャリオット、と呼ばれています。今年のダービー馬。

密かに進めるこのブログに不釣り合いな普段の4倍ちかいお客さんと、普段の100倍ぐらい(笑)のトラックバックが来る異常状態でもあり、たまに真面目に長文を書いてみました。